「倹約」と「ケチ」の違い2選
「節約をしていたら、ケチと言われた」
将来のことを考えて頑張って節約しているのに、あるいは自分では普通に生活しているだけなのに、周りにこんなことを言われたことはありませんか。
なんかモヤモヤしますよね。
この章では「倹約(節約)」と「ケチ」という言葉の違いについて、私なりの所見を紹介したいと思います。
人は言葉の意味や見た目に引っ張られるものです。
一見似たように思える言葉でも、これらは全く違う意味を持っていると思います。
言葉の本質を理解すれば、自身の生活や頑張りにより一層自信が持てることでしょう。
心のモヤモヤを晴らす一助になればうれしいです。
〇結論
・倹約は人生の満足度を下げずに無駄遣いを減らすこと、ケチは金銭を溜めこむ事に執着すること
・倹約は歴史上も重要なこととして行われてきたが、ケチは無い
〇そもそも倹約とケチの言葉の意味とは
まず、そもそも「倹約」という言葉の意味は何なのでしょうか。
(参考:wikipedia)
「節約 (せつやく)あるいは 倹約 (けんやく)とは、無駄遣いを極力なくすように努めること。」
また、次のような記載もあります。
「消費を抑えることは経済面だけでなく環境面においても有意義なことで、無駄を省くことは持続可能な開発においても重要なことである。」
現代のメガトレンドでもある「持続的な開発(SDG’s)」にも通ずる一面もあるようですね。
確かに無駄遣いが無くなれば消費量は少なくて済みますし、衣料品や食料品が大量に捨てられている現実を考えると、貢献しているともいえますね。
企業活動や家計簿でも、経費削減は収支を改善するのに真っ先に取り組むことです。
では一方で、「ケチ」はどんな意味があるのでしょう。
「ケチは、金銭や品物を惜しんで出さないこと、また、そのような人。(中略)特に金銭を溜め込むことに執着する人物は守銭奴(しゅせんど)と称されることもある。」
なるほど、お金や品物を集めることが目的になってしまっているのですね。
本来品物は金銭と交換し、金銭は自身の望む財やサービスと交換するための手段でしかないのですが、手段と目的が逆になってしまったんですね。
〇倹約令はあっても、ケチ令はない
歴史を遡っても、江戸時代には複数回「倹約令」というものが出ました。
大きくなりすぎた支出を圧縮するため、贅沢を禁じて質素に生活することを求めたのでしょう。
この倹約令は一般の農民だけでなく藩士にも及んだということなので、よほど切羽詰まっていたのでしょう。
私は、この倹約令を出した目的として「身の丈に合わない贅沢をせず、身分相応な生活をしてほしい」という意味が込められていたのではないかと思います。
「多少贅沢はしてもいいですが、生活が破綻するような度が過ぎたものはだめですよ」と。
つまり、生活の満足度を下げずに上手に使いましょうと言いたかったのではないかと。
一方、「ケチ令」というものは歴史上出てきません。
「ケチ」は「品物や金銭を溜め込むこと」が目的になっているのだとすると、言葉としてふさわしくなかったのでしょう。
〇倹約を実践している習慣こそ素晴らしい
倹約は一朝一夕で身につくものではありません。
上記の倹約令も、長くは続かず効果は一時的だったようです。
だからこそ、倹約が習慣として身についている皆さんは素晴らしいと思います。
言葉の本質を理解すれば、自身の生活や頑張りにより一層自信が持てることでしょう。
このブログが心のモヤモヤを晴らす一助になればうれしいです。
*1:お金はあくまで手段、目的ではありません